手術室に入った。

すでに何人ものナースが慌ただしく働いている。

「ではこっちに移動してね」

ああそうだよね。自力だよね。よいしょ。

「手術台の幅が狭いから右と左確認してね」

ほんとだ!ギリギリ。

他の大きな人には違うサイズがあるのかなぁ?

と余分なことを考える私。

ナースたちはやさしくこれで大丈夫?楽になってる?

と何度も確認してくれる。

足はこんな感じ。

年増のナースがやさしく「手術室は寒いでしょ、足元にブランケットもっといる

暖かいのあげるね」「はい、どう?」まるで母親が子供を寝かしつけるような愛情を感じる。

ナースってすごい。なるほどね、これだから病気してナースを好きになっちゃう男が多いはずだよ。

やたら納得する。でも今回はみ〜んなおばさんナースばかりだったけどね。

チーフのナースが「あなたは今日どちらの胸を手術しますか?」

と聞いてきた。医療ミスを防ぐための確認は手術室に入る前にも何度もしている。

確認が終わると、彼女が私の体にイニシャルをペンで書いた。

おお、

そして手術室の隅で事務的なことをしていた外科医が現れて、

同じように私の体にイニシャルを書いた。

さらに、おお

「ああ、彼らにしてみたら、

私はもうまな板の上のただの物体なんだよね」

今までこんな風に自分を客観的に感じたことがない。

不思議な感覚だ。

そして全ては彼らに託された。

まな板の上の物体はそう覚悟を決めたのだった。



酸素マスクが顔の近くに寄せられた。

酸素マスクなのになんだか「苦し〜〜〜〜い」

え、え、え、ちょっと焦る。

酸素マスクを持っているおばさんナースが

私の顔10センチぐらいのことろまで顔を近ずけ

やさ〜しく「大丈夫だよ。私たちが

We will take good care of you.

と言った。ああ、おねがいします。心の中でつぶやく。

「でもちょっと目が怖いかも」

なんて思った一秒後には、頭がぼ〜っとして

意識が遠のいていった。





乳がん/私の場合
第1話から読む


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